10/6(木) 昼
寝顔を見た。からだは丸くなっていた。飼っている、1匹だけになった猫のことをすこし考えた。
からだの厚み、柔らかさ、きっと何もないはずの家のにおい…
去年の10月下旬を思い出させるようだった。
あたたかさを感じると、急に吐き気に襲われて、口元を抑えてトイレに駆け込んだ。
茶色くて水っぽい吐瀉物が絶え間なく出てきた。絶対に食べた分より多い量だった。嘔吐が止まらなくて、しまいには血まで出てきた。
しゃばしゃばの泥水みたいなのが、チープだった。血はよりリアルで、どろっとした塊みたいなのも出てきていた気がする。それで、前に胃腸炎になった時のことを思い出して、さらに父親が癌だったこともあって、わたしも胃とか食道の癌で、死んじゃうんじゃないかと思った(冷静に考えると、胃の出血ならばもっと血液が黒いはずである)。
はっと目が覚めたとき、何の確信もないけれど、もう、すべてが終わるような気がして、確かに今は、以前ほど縛られることはなく生活している(きっと…)
思考は支配されることなく、自由になったはずなのに。カプセルみたいな歯磨き粉の味を思い出すのをやめられない。
おわり